EXHIBITIONS

小沢剛「汎大陸(パンゲア)」

2025.11.04 - 12.06
 MISA SHIN GALLERYで、小沢剛による個展「汎大陸(パンゲア)」が開催されている。

 小沢剛は1965年東京都生まれ。91年に東京藝術大学大学院美術研究科壁画専攻を修了。世界各地に自作の地蔵を設置して撮影した「地蔵建立」、牛乳箱を用いた超小型移動式ギャラリー「なすび画廊」、美術史の名画を醤油で模写する「醤油画資料館」、野菜でつくられた武器を持つ女性のポートレイト「ベジタブル・ウェポン」などの作品で知られている。

 本展は、かつてすべての大陸がひとつにつながっていたとされる「汎大陸(パンゲア)」という地球史的スケールの概念を手掛かりに、「世界をひとつにするイメージ」を描き出す試みである。2024年に小沢が大分県別府市で実施したワークショップでは、異なる背景をもつ8人の市民が記憶をたよりに世界地図を描き、作家はそれらをパズルのように切り離し再構成した。その上に参加者との対話の印象や好きな色彩を重ね、8種類の「パンゲア」シリーズを制作している。

 今回の展示では、この絵画シリーズに加え、香川県立ミュージアム所蔵の源内焼(江戸時代中期に平賀源内の指導によって製作された三彩の陶磁器)の世界地図皿をもとに再構成した《源内焼の世界地図を1つの大陸にしてみた》(2025)をはじめ、伐採木を用いた球体にパンゲアを描いた《パンゲア大陸地球儀》、小沢自身によるパンゲアを描いた新作など、複数の新作が発表されている。