EXHIBITIONS

アンドレア・サモリー「CHIMERA」

2025.03.01 - 03.22

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 GALLERY ETHERで、アンドレア・サモリーによる個展「CHIMERA」が開催されている。

 アンドレア・サモリーはイタリア出身。東京大学を卒業し、現在は東京都在住。サモリーはこれまで、隈研吾や名和晃平のもとでの制作経験を重ねてきた。ポスト・インターネット的アプローチを通じて、親しみやすくもどこか不気味なイメージを用いながら、未来に対する私たちの集団的な恐れや期待を映し出す鏡のような作品を生み出す。制作においては、アニメーションや3Dスカルプティング、3Dプリントに加え、映画やテレビ番組で登場するモンスターやエイリアンなどをつくるために、様々な素材や技法が使用される「SFXクリーチャーメイキング」などの技術が用いられている。

 本展では、ポスト・ヒューマン、トランス・ヒューマンの未来に対する現代の不安と希望、そして不条理で新しい自然の創造を映し出す。

 CHIMERA(キメラ)という言葉は、神話に登場する同名の生き物に由来し、それぞれ異なる部分から構成された個体がハイブリッドに融合することを表している。私たちの想像の世界は、現代の伝承や古代の神話の影響を受けながら、慢性的にオンライン化された私たちの生活様式や、本能に根ざした社会のあり方をかたちづくっている。

 本展では、この新しい神話を掘り下げた幻想的なハイブリッド環境、彫刻作品、デジタル・アニメーションの融合により、奇妙な新しい未来の可能性が垣間見える。