インターネットが普及し始めてから約20年が経った現在。スマートフォンやSNS、仮想通貨などが生活に浸透し、ロボットや人工知能の技術も目覚ましい進歩を遂げている。「ハロー・ワールド ポスト・ヒューマン時代に向けて」は、こうした時代の変化をとらえ、新しい表現を開拓するアーティストたちによる展覧会だ。
本展では、セシル・B・エヴァンスの、Pepperやaiboといったロボットと映像による完全自動のパフォーマンス作品や、谷口暁彦が監視カメラを用いて制作した写真作品、サイモン・デニーによる仮想通貨のシステムをボードゲームで表現した作品など、現代のテクノロジーをベースにした多彩な作品が集まる。
加えて、テクノロジーが持つ不安を煽るような側面にスポットを当てた作品も紹介。ヒト・シュタイエルによる情報社会から身を隠す方法を語るインスタレーションや、レイチェル・マクリーンのSNSに依存しきった人間を描いた映像作品などが登場する。
このほか、日本のインターネット・アートを牽引してきたアート・ユニットのエキソニモや、映像作品を通じて自らが影響を受けたメディアや文化の再検証を試みるデヴィッド・ブランディ、デジタル・ネイティブ世代の写真家として注目される小林健太が参加。会期中には、参加作家とゲストによる対談シリーズの開催も予定されている。