EXHIBITIONS
中澤安奈、カミラ・テイラー、宮永愛子「祈りの前に佇み」
Kanda & Oliveiraでは中澤安奈、カミラ・テイラー、宮永愛子による展覧会「祈りの前に佇み」が開催されている。
出展作家の3名は、それぞれ異なる宗教的・文化的背景を持ち、作品からは強い死生観が表出している。
中澤は、石彫や素木の木彫を、キリスト者として信仰と固く結びつきながら制作。「制作は、神様に会う準備をしていてその瞬間を待ち望んでいることだ」と語る。代表的な作品モチーフに見られる衣は人格を表し、その人格は高めるためのものではなく新しく「着せられる」ものであり、自分に頼らなくなるための訓練でもあるとのこと。
テイラーは、モノクロームの版画や陶芸を制作し続けてきた。モルモン教の家庭で育ち、その後母親がカルト教祖になるが、テイラー自身は無神論者であったため、そのコミュニティから訣別した。作品に出てくる空の椅子はつねに不在の人物を暗示しており、ある意味で不在の人物とはそこに座るように促されている鑑賞者自身のことだと語る。
宮永は、ナフタレンや樹脂、ガラスなどを用いた彫刻、インスタレーションで知られる作家だ。ナフタレンでつくられた形は時間とともに昇華して消えてしまうが、ガラスケースの中では形を変えて再結晶化が進む。無常観や転生といった観念に共鳴する作品は「変わりながらも存在し続ける世界」を表現している。
3名の作品には「誰かがいた気配」や「何かがあった気配」が見て取れ、その痕跡を受け止めることでどう生きるかを鑑賞者に提示する。
出展作家の3名は、それぞれ異なる宗教的・文化的背景を持ち、作品からは強い死生観が表出している。
中澤は、石彫や素木の木彫を、キリスト者として信仰と固く結びつきながら制作。「制作は、神様に会う準備をしていてその瞬間を待ち望んでいることだ」と語る。代表的な作品モチーフに見られる衣は人格を表し、その人格は高めるためのものではなく新しく「着せられる」ものであり、自分に頼らなくなるための訓練でもあるとのこと。
テイラーは、モノクロームの版画や陶芸を制作し続けてきた。モルモン教の家庭で育ち、その後母親がカルト教祖になるが、テイラー自身は無神論者であったため、そのコミュニティから訣別した。作品に出てくる空の椅子はつねに不在の人物を暗示しており、ある意味で不在の人物とはそこに座るように促されている鑑賞者自身のことだと語る。
宮永は、ナフタレンや樹脂、ガラスなどを用いた彫刻、インスタレーションで知られる作家だ。ナフタレンでつくられた形は時間とともに昇華して消えてしまうが、ガラスケースの中では形を変えて再結晶化が進む。無常観や転生といった観念に共鳴する作品は「変わりながらも存在し続ける世界」を表現している。
3名の作品には「誰かがいた気配」や「何かがあった気配」が見て取れ、その痕跡を受け止めることでどう生きるかを鑑賞者に提示する。