EXHIBITIONS

西村大樹「HOLOBIONT」

MJK Gallery
2025.02.01 - 02.15

メインヴィジュアル

 MJK Galleryで、西村大樹による個展「HOLOBIONT」(*1)が開催されている。

 以下、展覧会ステートメントとなる。

「『予知夢』は、人間活動の影響が世界的パンデミックへとつながる物語性をテーマにした絵画シリーズです。新型コロナウイルスの発生から幽閉を余儀なくされた数年間、私たちは世界の終わりをどこかで予感しつつ、ただ『自分の家に帰る』という行動を通して、人間活動が地球の生命圏にどのような影響を与えてきたのかについて(*2)、新たな気づきをえたのではないでしょうか。この数年、同じ場所で、同じように生き続けることの困難さを感じた方も多いと思います。

 生物が生きるということ、それは個体だけで完結するものではなく、地球環境のなかでほかの多様な生物と築く共生関係によって成り立つものです。私たち人間も、地球環境と生物が相互に生成してきた長い歴史のなかに生きているのです。

 私自身がいま生きている世界を考えるとき、国境や境界線といった概念は存在せず、そこにはただ地球環境だけが広がっています。その現実を丁寧に受け止め、向きあう努力を重ねながら、作品制作を行っています」(展覧会ウェブサイトより)。

*1──ホロビオント(Holobiont)とは、進化論学者リン・マーギュリスが提唱した概念で、複数の異なる生物が共生関係(symbiosis)にあり、不可分なひとつの全体を構成している状態を指す。

*2──人間活動が地球生命圏へ与えていた影響について。経済活動の強制停止(ロックダウン)によって世界各地の環境が改善された。ロックダウン開始から数週間後、ヴェネツィアの濁った運河が透明になり、そこには魚が戻ってきた。インドや中国では大気汚染が改善され、平時では見えない青空が広がった。