アントニー・ケアンズ「MaViCa CTY」

　Akio Nagasawa Gallery Aoyamaで、アントニー・ケアンズによる個展「MaViCa CTY」が開催されている。

《MaViCa CTY》はアントニー・ケアンズによる新しい作品で、ヴィンテージのソニーのカメラ、Mavica MVC-FD200を、喜多俊之がデザインしたシャープ製テレビに接続して展覧している。

　アントニーはここ数年、ソニーのFD2000初期型デジタルカメラを収集しており、これを現代のデジタルメディアとしての写真技術を変えた先駆的なカメラと考えている。このカメラは、画像が画面上に表示されるという新しい概念を採用し、デジタル録画デバイスとして、内蔵機能を活用することで無限にスライドショーを表示することができる特徴がある。これにより、カメラをテレビに接続して写真を見るという体験が可能になった。

　この作品では、夜の都市風景がテーマとなり、スライドショーとして様々な大都市の景観が映し出され、カメラの内蔵エフェクトを利用して、画像に抽象的な層を重ねている。

　また、古いメディアを再利用し、映像の美学と技術を融合させることで、観客に特定の感情を引き起こすような効果を生み出す。