EXHIBITIONS

所蔵作品展

反復と偶然展

2024.12.17 - 2025.02.24

小川待子 Untitled 1993年 国立工芸館蔵 撮影:エス・アンド・ティ フォト

 国立工芸館で「反復と偶然展」が開催される。

 本展は「反復」と「偶然」という工芸やデザインを特徴づけるふたつの性質に注目し、国立工芸館の所蔵作品を紹介する展覧会。同じ動きの繰り返しで造形されるものや、同じ図柄を連続させたり幾何学模様を施すことは、洋の東西を問わずあらゆる工芸やデザインにみられる。

 たとえば、竹工や織物は「編む、織る」という反復動作が直接作品の形状や模様につながる。また、食器などでは用途の異なるものを同じかたちに揃えることで統一感が生まれ、同じかたちのパーツで構成された物品は、見る人や使う人に心地よいリズムを感じさせる。

 いっぽうで、自然素材は木目や節の具合などひとつとして同じものはなく、制作上での火力や温湿度、力の加減や歪みといった完全にはコントロールできない偶然性も工芸の特質と言える。あるいは、本来均質な製品の量産を目指すデザインに、あえて偶然できたような風合いをもたせることで、量産品らしからぬ存在感が備わることもある。本展覧会では、反復と偶然がおりなす工芸とデザインの多様な表現の魅力を紹介する。