EXHIBITIONS
近藤高弘「消滅から再生へ」
東京画廊+BTAPで、近藤高弘による個展「消滅から再生へ」が開催されている。
近藤高弘は1958年京都府生まれ。人間国宝(染付)の祖父・近藤悠三と父・近藤濶のもとで育ち、卓球で日本代表選手になった異色の経歴を持つ。25歳から陶芸の道を志し、1994年には京都市芸術新人賞を受賞、2002年には文化庁派遣芸術家在外研修員として、エジンバラ・カレッジ・オブ・アート・マスターコース(イギリス)を修了。近年のおもな展覧会に2023〜2024年にブルックリン美術館で開催された祖父・近藤悠三、父・近藤潤、伯父・近藤豊との展覧会「Porcelains in the Mist: The Kondō Family of Ceramicists」がある。
伝統的な染付作品から制作を開始した近藤は、その後、金属や鋳造ガラスなど新しいメディウムを取り入れ、独自の造形表現を確立。1993年、陶にプラチナ、金、銀、ガラスの混合物を粒状に結晶化させる「銀滴彩」を生み出す。磁器に繊細な煌めきをもたらし、表面の雫に様々な表情を与えるこの技法は、土を媒介として、火から水を生むことをコンセプトとしている。水をテーマに制作した「Reduction」「Wave」シリーズは、ボストン美術館、ギメ美術館をはじめ、著名な美術館に収蔵。また、今年6月には、京都市左京区の花脊にある旧八桝小学校の跡地に登り窯「念々洞・鹿龍窯(ろくりゅうがま)」を創築した。
本展は、会期をふたつに分け、近藤がライフワークとする白磁を展示。前期は、作曲家・故 一柳慧と2018年に行った展覧会「消滅」から始まった試みの継続である。形を失って崩れ、「消滅」を予感させる器がなお内包している、再生の契機を探る展示となる。後期では、白磁を使用したインスタレーションに試みる。つねに消滅へと傾く自然と、つくり続け、再生を目指す人間との交流をテーマに据え、工芸と現代美術の境界を問いなおす。
近藤高弘は1958年京都府生まれ。人間国宝(染付)の祖父・近藤悠三と父・近藤濶のもとで育ち、卓球で日本代表選手になった異色の経歴を持つ。25歳から陶芸の道を志し、1994年には京都市芸術新人賞を受賞、2002年には文化庁派遣芸術家在外研修員として、エジンバラ・カレッジ・オブ・アート・マスターコース(イギリス)を修了。近年のおもな展覧会に2023〜2024年にブルックリン美術館で開催された祖父・近藤悠三、父・近藤潤、伯父・近藤豊との展覧会「Porcelains in the Mist: The Kondō Family of Ceramicists」がある。
伝統的な染付作品から制作を開始した近藤は、その後、金属や鋳造ガラスなど新しいメディウムを取り入れ、独自の造形表現を確立。1993年、陶にプラチナ、金、銀、ガラスの混合物を粒状に結晶化させる「銀滴彩」を生み出す。磁器に繊細な煌めきをもたらし、表面の雫に様々な表情を与えるこの技法は、土を媒介として、火から水を生むことをコンセプトとしている。水をテーマに制作した「Reduction」「Wave」シリーズは、ボストン美術館、ギメ美術館をはじめ、著名な美術館に収蔵。また、今年6月には、京都市左京区の花脊にある旧八桝小学校の跡地に登り窯「念々洞・鹿龍窯(ろくりゅうがま)」を創築した。
本展は、会期をふたつに分け、近藤がライフワークとする白磁を展示。前期は、作曲家・故 一柳慧と2018年に行った展覧会「消滅」から始まった試みの継続である。形を失って崩れ、「消滅」を予感させる器がなお内包している、再生の契機を探る展示となる。後期では、白磁を使用したインスタレーションに試みる。つねに消滅へと傾く自然と、つくり続け、再生を目指す人間との交流をテーマに据え、工芸と現代美術の境界を問いなおす。