石岡瑛子Ｉデザイン

　島根県立石見美術館で、企画展「石岡瑛子Ｉデザイン」が開催される。

　石岡瑛子（1938〜2012）はデザイナー兼アートディレクター、東京藝術大学を卒業。1961年、資生堂宣伝部に入社する。前田美波里を起用したポスターなどで頭角を現し独立。70年代にはパルコ、角川文庫など時代を揺るがす数々のキャンペーン、ファッションショーの演出、書籍デザインなどを手がける。

　80年代初頭に活動の拠点をニューヨークに移して以降は、美術及び衣装デザインなど、さらにボーダーレスに仕事の領域を広げる。舞台「M. バタフライ」でニューヨーク批評家協会賞、アルバム「TUTU」でグラミー賞、映画『ドラキュラ』でアカデミー賞を受賞するなど世界的評価を得る。作品集には『EIKO BY EIKO』『EIKO ON STAGE』、著作に『私デザイン』などがある。

　つねに革新的なビジュアルを目指した石岡は、自分にしか実現し得ない表現を生み出すことに、生涯を通して真摯に向き合い「I＝私」を磨き続けた。本展では、キャリア初期における資生堂やPARCOの広告といった代表作をはじめ、1960〜80年代の仕事を中心に約500点の作品を通して、そのデザイン哲学の真髄に迫る。