Shizubi Research+　倉俣史朗と静岡

　静岡市美術館 多目的室で「Shizubi Research+　倉俣史朗と静岡」が開催されている。

　倉俣史朗（1934〜1991）は、椅子や照明機器などのプロダクトやインテリアデザインの分野で革新的な活動を展開した、戦後日本を代表するデザイナー。アクリル、ガラス、アルミニウム、FRPなど、それまで家具や内装で使用されることのなかった素材を積極的に取り入れ、透明感や浮遊感に満ちた独創性あふれる作品で世界的にも高い評価を得た。

　戦中、愛鷹村（現・静岡県沼津市）に疎開していたというだけでなく、倉俣と静岡は深い関係にあった。倉俣がキャリアをスタートさせた1960年代半ばから1980年代にかけて静岡の数多くの商業空間を手がけ、なかでも天井の曲面と柔らかな色彩で人を包み込む COMBLÉ（コンブレ）は、倉俣の空間が体感できる、数少ない現存例だ（一部改装済）。さらに静岡市が 1988年に主催した「家具産地イメージアップ事業」では、倉俣と静岡の職人がオリジナルのイスとテーブルを共同制作している。

　本展では「家具産地イメージアップ事業」にて制作された静岡市が収蔵する椅子5脚のほか、これまでの調査過程で発見された新たな図面や写真資料などのアーカイブ資料を展示。