2019.3.29

2021年オープンの大阪中之島美術館が新たに98点の美術品を収蔵。サラ・モリスや倉俣史朗、佐藤雅晴らによる98点

2021年に開館予定の大阪中之島美術館。同館は、大阪と世界の近現代美術をテーマに重要文化財を含む貴重な美術品を収蔵している。そして2019年度、コレクション充実のために新たに98点の美術品を収集。これによって同館のコレクションの総数は5700点を超えることになる。

サラ・モリス Sorbonne [Abu Dhabi]  2016
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 2021年に開館予定の大阪中之島美術館が、コレクションを充実させるために新たに98点の美術品を収集した。同館は、大阪と世界の近現代美術をテーマとして、重要文化財を含む貴重な美術品を収蔵しているが、今回の収集によってコレクションの総数は5700点を超えることになる。

 新収蔵品には、大正から昭和を代表する大阪出身の画家・佐伯祐三による《目白の風景》が含まれており、質と量ともに日本随一と言われる佐伯祐三コレクションのさらなる拡充が図られる。

佐伯祐三 目白の風景 1926頃

 このほか、妖艶な美人画を描いた北野恒富や、絵画・写真・インスタレーション作品など幅広い表現を行う榎倉康二、そして先日逝去したアーティスト・佐藤雅晴による映像作品《ハンズ》(2016〜17)なども追加される。

 今回、収蔵された佐藤の映像作品は、日常風景をビデオカメラで撮影後、パソコン上でペンツールを用いて慎重にトレースし、さらにそのデータを「ロトスコープ」技法でアニメーション化した複雑なもの。闘病生活のなか、その手を止めることなく制作に打ち込んできた佐藤の、並ならぬエネルギーを感じ取ることができるだろう。

 また、アメリカの現代美術作家、サラ・モリスによる作品も見どころだ。日本の美術館がモリス作品を所蔵するのは同館が初となる。

 おもに大阪と関わりのある国内外の近現代美術を収集してきた大阪中之島美術館。開館後のコレクション披露の機会に期待したい。​

榎倉康二 無題 1986