EXHIBITIONS

振幅の住まい in 尾道

LLOVE HOUSE ONOMICHI
2024.11.01 - 11.02

Wilder-Mann-auf-Bruecke-Reichskanal-2 ©Olaf Holzapfel

 LLOVE HOUSE ONOMICHIで「振幅の住まい in 尾道」が開催される。

 本プロジェクトは、アートやアーティストを都市部の限られた空間から解き放ち、自然のなかで新たな展開を見せることを目指している。日本をはじめとする多くのポスト産業国では、仕事、余暇、地域社会との交流、そして同僚や高齢の家族との関わりのなかで、社会的な交流や技術の進歩がどのように反映されているのかが重要なテーマとしている。そして、日常生活そのものが、技術的・デジタル的な進化にどのような影響を与えているのか、そのダイナミクスは都市と地方で異なる。

 2021年にゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川が一般財団法人山岡記念財団の助成を受けて立ち上げたプロジェクト「アート・デザイン・ものづくりのためのラボ」では、ヴィラ鴨川に滞在するアーティストや、西日本の職人たちが集い、現代の木造建築や再利用可能な竹舞台、漆を使ったデザインなどをテーマに探求している。

 プロジェクトの成果のひとつとして生まれたのが、画家で彫刻家のオラフ・ホルツアプフェルの構想による「振幅の住まいin尾道」だ。ホルツアプフェルは、15年以上にわたってアーティストや職人との異文化交流に取り組んでおり、伝統的な技法を用いたプロジェクトを通じて、参加者間の知識共有や協働プロセスを重視してきた。アルゼンチン・グランチャコ地方のウィチ族の織工たちや、ドイツ・ニーダーザクセン地方の大工たちと協働し、木材や藁、天然繊維などの地元の素材を使った作品を生み出している。今回のLLOVE HOUSE ONOMICHIでの宮大工・山本耕平(杣耕社)とのコラボレーションは、ホルツアプフェルの広がり続けるネットワークの新たな一歩となる。

 イベントのホストは、ドイツのキュレーターであり、森美術館(東京)のアジャンクト・キュレーターのマーティン・ゲルマンが務め、建築家の長坂常ら、LLOVE HOUSE ONOMICHIとともに、このイベントを通じて来場者を迎える。