EXHIBITIONS

特別展

安部公房展──21世紀文学の基軸

神奈川近代文学館
2024.10.12 - 12.08

写真提供:新潮社 Design:Kazuya Kondo

 神奈川近代文学館で、特別展「安部公房展──21世紀文学の基軸」が開催されている。

 今年生誕100年を迎えた安部公房(1924〜1993)。その創作活動は、学生時代の詩作から出発し、『壁』『砂の女』などの小説や「友達」などの戯曲、写真、さらに演劇グループ・安部公房スタジオによる総合芸術の追究と多岐にわたった。自明のはずの名前や身体、居場所が損なわれることで自己が揺らぐさまや、従来の規範が突如として転倒する世界を描いた独特の作品は、いまも国境を越え多くの読者を得ている。

 本展は、初公開・初展示を含む約500点の資料により、時代の先端をとらえ続けた表現者・安部公房の全貌に迫るとともに、21世紀の今日において安部作品のテーマが持つ意味を問い直す。