2024.2.22

世田谷文学館で初の大規模個展「伊藤潤二展 誘惑」が開催へ。美しくもグロテスクな世界に震える

世田谷文学館で、漫画家・伊藤潤二による初の大規模個展「伊藤潤二展 誘惑」が開催される。会期は4月27日〜9月1日。

富江 2000 ©ジェイアイ/朝日新聞出版
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 東京の世田谷文学館で、漫画家・伊藤潤二(1963〜)による初の大規模個展「伊藤潤二展 誘惑」が開催される。会期は4月27日〜9月1日。

 伊藤潤二は、美しくもグロテスクな世界を描き出す漫画家。歯科技工士として勤務する傍ら、雑誌「月刊ハロウィン」に初投稿した『富江』が「楳図賞」にて佳作を受賞しデビュー。以来、『首吊り気球』『死びとの恋わずらい』『うずまき』ほかを発表してきた。2019年『フランケンシュタイン』ではアイズナー賞「最優秀コミカライズ作品賞」を受賞し、21年『地獄星レミナ』にて「最優秀アジア作品賞」、『伊藤潤二短編集 BEST OF BEST』が「Best Writer / Artist部門」を同時受賞、22年『死びとの恋わずらい』にて通算4度目の同賞受賞。23年、アングレーム国際漫画祭にて「特別栄誉賞」受賞。そのほかも数多くの受賞を経験し、国内外問わず読者から絶大な支持を得ている。

 本展は、初の大規模個展として、自筆原画やイラスト、絵画作品を展示。デビュー作品の『富江』をはじめ、『うずまき』『死びとの恋わずらい』『双一』などのシリーズ漫画のほか、『首吊り気球』『伊藤潤二の猫日記 よん&むー』『溶解教室』などの自筆原画に加え、本展描き下ろしの新作も公開される予定だ。

 人間の本能的な恐怖心や忌避感を巧みに作品に映し出しながらも、日常と非日常、ホラーとユーモアを自在に行き来する伊藤の作品。その世界に「震える」ひとときを味わうことができるだろう。

富江の世界 2023 ©ジェイアイ/朝日新聞出版
うずまき 2010 ©伊藤潤二/小学館
溶解教室 2013 ©伊藤潤二(秋田書店)2014