EXHIBITIONS

中尾誠 油絵展「"皮膚に"へ・・・」

ギャルリー宮脇
2024.10.19 - 11.03
 ギャルリー宮脇で、中尾誠による油絵展「"皮膚に"へ・・・」が開催されている。

 中尾誠は1937年東京都世田谷区生まれ。幼少期から福岡県久留米市で育ち、東京藝術大学に入学。1968年に山口薫教室を修了している。1972年から横浜国大で後進の指導にあたり、2003年退官。2017年逝去。2019年「隔たりの消息 中尾誠作品集」刊行(美術出版社)。2021年神奈川県立近代美術館に7点が収蔵され、翌年同館コレクション展「手跡をたどる特集:中尾誠」が催される。2023年作品集「隔たりの消息II 中尾誠作品集2」刊行(学術研究出版)。

 中尾誠の作品は、あるときから図像と地が曖昧になっていき、やがて「皮膚に」と題されたストロークによるオールオーヴァーな絵画に行きついた。そのとき絵は塗り重ねられて積層するだけではなく、表層は地肌を掻き起こすようにして描画の道程を撹乱する。こうした中尾の絵は、その創造の初源にあった形象を埋蔵し、複層する物質と時間の深遠なパリンプセストとなって視覚を超えた感覚をもたらす。