EXHIBITIONS

深堀隆介展 水面のゆらぎの中へ

2024.08.04 - 09.29

深堀隆介 金魚酒命名鈴夏

 秋田県立美術館で「深堀隆介展 水面のゆらぎの中へ」が開催されている。

 金魚に魅せられ、創作を続ける美術作家・深堀隆介。透明樹脂にアクリル絵具で何層にも重ねて描く「2.5Dペインティング」とも称される斬新な技法により、立体感のある金魚をつくり出してきた。

 深堀は自身の作品をまるで生きているかのように「見せる」いっぽうで、それが命を持たない絵具の積層であるという事実に正面から対峙。深堀の作品には、幻影と物質の同居というリアリズムにおける根源的な命題が横たわっている。

 本展では、初期の立体作品から、絵画、映像、大規模なインスタレーションなど新作を含む作品約300点を一挙に紹介。深堀が一貫して取り組んできた金魚の造形に改めて光をあて、描くこと、リアルであることに対する作家の思想に迫る。

 虚実の狭間を揺蕩うように誘う、「金魚繚乱」の世界に触れてみてほしい。