EXHIBITIONS

The Eyes-土門拳が撮った眼-

2024.07.19 - 10.22

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 土門拳記念館で「The Eyes-土門拳が撮った眼-」が開催されている。

 本展では、写真家・土門拳(1909〜1990)が撮影した多様な"眼"に焦点をあてる展覧会を開催。 

 20世紀日本のドキュメンタリー写真を代表する『ヒロシマ』(1958)や『筑豊のこどもたち』(1960)には、被写体となった人々の眼が印象的な作品が数多く含まれている。何かを強く求め訴えかけてくるような眼があれば、時には現代の私たちの在り方を問うような深く静かな瞳もある。昭和の著名人たちの肖像を収めた『風貌』(1953)シリーズでは、激動の時代を切り拓いていった者たちの才気あふれる眼差しに、時を超えて対面することができる。『文楽』(1972)や『古寺巡礼』(1963〜1975)といった写真集では、日本美術史のなかで生み出され、継承されてきた個性的な眼の造形の数々が、土門特有のクローズアップ撮影によって鮮やかに切り撮られてきた。

「僕は被写体に対峙し、僕の視点から相手を睨みつけ、そして時には語りかけながら被写体が僕を睨みつけてくる視点を探る。そして火花が散るというか、二つの視点がぶつかった時がシャッター・チャンスである」と書き残しているように、土門が写した多くの"眼"には、被写体そのものの発するメッセージと、土門自身の思想の両方が反映されている。

 眼の中に刻まれた時代と、いまも生き続ける記憶を感じてみてほしい。