EXHIBITIONS

70年代再考 版画・写真表現の波紋

高松次郎・木下佳通代・彦坂尚嘉・木村秀樹・辰野登恵子・木村浩・石原友明

2024.06.25 - 07.20

メインビジュアル

 ギャラリー16で「70年代再考 版画・写真表現の波紋」が開催される。

 日本美術の70年代とは何だったのか。1960年代にアメリカでミニマルアートが本格的に始まり、抽象を極限まで突き詰める動向は日本の美術界にも影響を及ぼした。もの派が台頭したとする日本美術の70年代は未加工の物質が主役として登場し、「つくらない芸術」の時代を迎える。そして、その後の80年代にはポストもの派、ニューペインティングへと移行。しかし、その狭間では、版画や写真表現が、次につながる萌芽を生じさせたのではないか。それを今回、版画・写真メディアに焦点をあわせて見つめ直す。

 本企画は、坂上しのぶによる『70年代再考』が契機となり立ち上がった。60年代後半から黄金期を迎えた版画表現が、実際は「消えゆく媒介者」ではなかったのか。それを時代の動向に沿って丁寧に読み解き、検証された論書となる。

 本展では、その『70年代再考』で取り上げられた作品を含め、写真と写真製版による版画表現を中心に展示し、次代へ果たした役割とその波紋を検証。また、「70年代という時代」「現代美術における写真」というテーマで2夜連続のトークも開催。出版・展覧会、そしてトークによって、70年代の日本美術において見えなくなってしまった史実を再び掘り起こそうとする試みとなる。

 出展作家は、高松次郎、木下佳通代、彦坂尚嘉、木村秀樹、辰野登恵子、木村浩、石原友明。