gallery αMで1年間にわたって開催されている企画展シリーズ「鏡と穴―彫刻と写真の界面」。DIC川村記念美術館学芸員・光田ゆりのキュレーションのもと、7名の作家が現代写真と彫刻のありかたを考える展示を行う。
10月28日から始まった第5弾では、石原友明を取り上げる。1959年大阪生まれの石原は、キャンバスに直接自身の姿を焼き付けたインスタレーションで注目を集め、88年には「ヴェネチア・ビエンナーレ・アペルト’88」に出展。以降もセルフポートレートを軸としながら、皮革、プラスティック、ガラスなど多様な素材を駆使し、写真と絵画と彫刻、インスタレーションを混ぜ合わせた作品を制作している。
これまでに自らの体や顔だけでなく、細胞や体液までも像にしてきた石原。今回の出品作では毛髪を取り上げ、デジタルとアナログの幾重にもわたる変換のプロセスを経て、毛髪が描く線を抽象絵画のような画面で見せる。