夢の中のお伽話　fairy tale in a dream

　Sho＋1で、クララ・デジレ、イ・ドンギ、佐藤ブライアン勝彦、付箋girl®の4名によるグループ展「夢の中のお伽話　fairy tale in a dream」が開催されている。

　本展は、4名のギャラリー・アーティストによる新作ドローイング作品で構成されている。

　クララ・デジレは、グラフィティ・アートの流れを踏襲するアーティストだ。新作は、繰り返し夢のなかに現れる啓示的なキャラクターがランダムに記された言葉とともに描かれ、自分自身の居場所を確認するためのストーリーになっている。

　イ・ドンギは、自ら誕生させた架空のオリジナル・キャラクター「アトマウス」を巧みに操り、多岐にわたる手法で社会への問題提起を発信している。彼の作品にはつねに社会を構成する複雑な要素が内包されており、刻々と変化する時代の様相を絶妙なバランスでポップに表現する。

　佐藤ブライアン勝彦は、愛らしいコミック・キャラクターやお伽話の主人公をモチーフにしたファンタジックな作風を得意としている。本展では、有名な童話に登場する人物をメインに描いた怖かわいい新作を発表。

　付箋girl®は、一日一枚、付箋紙に架空の人物を描き続けている。彼女が描く人物絵は不特定の"どこかの誰か"。2023年より付箋紙という支持体の枠を飛び越えた制作にも取り組んでおり、ラッピング・ペーパーの新作では、日本画をバックグラウンドに持つアーティストの新たな一面を垣間見ることができる。

　それぞれのアーティストは、普遍的な無意識と個人が経験した出来事に関する記憶を結びつけ、虚構と現実を交錯させながら作品に落とし込んでいる。ハイファンタジーとローファンタジーの境界を自由に行き来する4名のギャラリー・アーティストが放つ、躍動的な作品の数々が並ぶ。