EXHIBITIONS

北井一夫 写真の旅人

アートスペース シモダ 所蔵写真展

池田記念美術館
2024.05.25 - 07.07

「村へ」より お盆 岡山県久米町 1974 © KITAI kazuo

 池田記念美術館で「北井一夫 写真の旅人 アートスペース シモダ 所蔵写真展」が開催される。

 北井一夫は1944年中国・旧満州生まれ。日本大学芸術学部写真学科中退。1965年に写真集『抵抗』を出版。その後、神戸港の港湾労働者、日大全共闘や三里塚、返還前の沖縄を取材したドキュメンタリー写真を発表するいっぽう、全国各地の見知らぬ土地を訪ね、人々の暮らしや風景をアサヒグラフやアサヒカメラに「いつか見た風景」「村へ」として掲載。

 1972年には第22回日本写真協会新人賞、76年には第1回木村伊兵衛写真賞を受賞。1973年には木村伊兵衛らと国交正常化後の中国を訪問し、以後何度も中国に出かけ「1990年代北京」シリーズを発表。そのほか、浦安の漁村風景「境川の人々」、大阪の遊興地「新世界物語」、東京郊外の新興住宅や団地を撮った「フナバシストーリー」、ドイツ表現派の建築写真「ドイツ表現派紀行」、「おてんき」、「ライカで散歩」など多数のシリーズ写真がある。

 今回の写真展は、北井の写真数百点を所蔵する「アートスペース シモダ」のコレクションのなかからヴィンテージプリントを中心に厳選し、日本を代表する写真家のひとり、北井一夫の初期から現在までを紹介する。