第48回(2023年度)「木村伊兵衛写真賞」受賞者が、金仁淑に決定した。大賞作は10チャンネルのヴィデオ・インスタレーション《Eye to Eye》と、写真と4チャンネルのビデオで構成されるインスタレーション《Between Breads and Noodles》。
金は1978年大阪生まれ。2005年に韓国の漢城大学芸術大学院を修了し、現在はソウルと東京を拠点に制作活動を展開。多様な「個」の日常や記憶、歴史、伝統、関係性、共同体の中に存在する個々のアイデンティティなどをテーマに、移民や地域のコミュニティーの人々とコミュニケーションを基盤としたプロジェクトを行ってきた。
主な個展に「sweet hours」(光州市立美術館、韓国、2008)、「Retelling Tales of the Cherry Blossoms」(MIO PHOTO AWARD PRIME、大阪、2014)、「House to Home」(トーキョーアーツアンドスペース本郷、2021)。グループ展に「大邱フォトビエンナーレ」(韓国、2014)、「ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界」(森美術館、2014)、「Family Report」(京畿道美術館、韓国、2017)、「愛について アジアン・コンテンポラリー」(東京都写真美術館、2018)など。また、恵比寿映像祭2023では、新作の10チャンネル・ヴィデオ・インスタレーション「Eye to Eye」を発表し、荒木悠とともに特別賞を受賞した。
写真家・木村伊兵衛の業績を記念し、1975年に創設された同賞。今回のノミネート作家はうつゆみこ、金川晋吾、金仁淑、清水裕貴、中西敏貴、村越としやの6名で、選考委員は大西みつぐ、長島有里枝、澤田知子、今森光彦の4名が務めた。受賞作品展は、ソニーイメージングギャラリー銀座で開催される。会期は4月26日〜5月9日。