広重「東海道五十三次」Digital Remix

　MOA美術館で「広重『東海道五十三次』Digital Remix」が開催される。

　本展では、デジタル・リミックスシリーズ第2弾として、歌川広重（1797〜1858）による保永堂版「東海道五十三次」を取り上げる。本シリーズには、江戸日本橋から京都に至る旅の情景が、四季や天候、時刻の変化など自然の移り変わりとともに描かれている。江戸時代後期の旅行ブームを背景に大人気を博し、広重の出世作となった作品である。

　会場では、全55作品の展観とともに、高精細デジタル画像で撮影した「東海道五十三次」を、同館スタッフの技術により、オリジナル・フィルム・プロジェクションとして、再構成（リミックス）。急な夕立に急ぐ人々を描いた「庄野　白雨」や、深々と雪が降る静寂な情景を描いた「蒲原　夜之雪」など作品の世界に没入する臨場感を提供する。

　また、東海道の宿駅の現在の風景を撮影・比較展示し、現代の東海道の旅も紹介。江戸庶民の旅への憧れを掻き立て、現代においても多くの人々に愛好される本シリーズを、デジタル・リミックスによる新感覚で体験してほしい。