MOYAN「Bod Mod」

　銀座 蔦屋書店 FOAM CONTEMPORARYで、MOYANによる個展「Bod Mod」が開催されている。

　MOYANは、2020年に東京藝術大学大学院美術研究科修士課程油画技法・材料研究分野を修了。「人形」をモチーフに作品を描き、ジェンダーやセクシュアリティ、家族観の問題を通じて人間の本質を探り続けてきた。MOYANの作品は、ポップでありながら、観者にどこか不穏な印象を与える。さらに、作品に描かれる人形を見ると、古びて汚れていたり、身体の一部が欠損していることに気づく。

　きせかえ人形には、遊ぶ人間による自己イメージの投影や渡す側の期待するイメージ、社会が求める人間像など様々な文化的価値観が織り込まれている。本展のタイトルである「Bod Mod」は、body modification＝身体改造という意味の略語である。使い古されることで身体の形態が変わった人形を通じて、鑑賞者にとって新たな身体のイメージが想起されることを示唆している。