超絶技巧が生んだ「江戸のロボット」。からくり人形師・九代玉屋庄兵衛展が横浜髙島屋で開催

日本を代表するからくり人形師・九代 玉屋庄兵衛の展覧会「からくり人形師 九代玉屋庄兵衛展 -伝統の技と挑戦-」が横浜髙島屋ギャラリーで開催される。会期は4月21日〜5月10日。

弓曳童子 1998

 日本を代表するからくり人形師・九代 玉屋庄兵衛の作品を一堂に紹介する展覧会「からくり人形師 九代玉屋庄兵衛展 -伝統の技と挑戦-」が、横浜髙島屋ギャラリーで開催される。会期は4月21日〜5月10日。

 「からくり人形」とは、人をかたどった木の身体に着物を着せて顔を描き、その手・足には木でできた歯車が仕掛けられている「動く人形」のこと。その歴史は古く、原点は平安時代まで遡ると言われる。江戸時代には広く庶民に愛され、職人の手によって一体一体個性を持った人形が数多く生み出されてきた。

 そんなからくり人形の歴史をいまに伝えるのが、九代 玉屋庄兵衛だ。1954年愛知県生まれの九代 玉屋庄兵衛は、79年に七代目に弟子入りし、95年に九代目 玉屋庄兵衛を襲名。98年には幕末のからくり人形師・田中久重が制作した『弓曳童子』の完全復元に挑戦し、成功を収めた。その後2014年には、卓越した技能者として現代の名工に選ばれている。

九代 玉屋庄兵衛

 本展では、大きくわけて「山車からくり」と「座敷からくり」、そして新作の「創作からくり」を展示する。

 山車からくり人形は、江戸時代の町人文化が華開いた曳山の祭り「山車祭り」の山車に載せられた人形に仕掛けを施したもの。 会場には、七代目が復活させた『かまきり』や、近年の作『鵺』や『二福神』などが並ぶ。

半田西成岩『鵺(弓張月の対峙)』 2007
犬山祭梅梢戯 2003

 人形の内部に歯車・カムなどのメカニズムとぜんまいの動力を持ち、自動で動く「座敷からくり」からは、広く知られる『茶運人形』をはじめ、『独楽廻し人形』『弓曳童子』『文字書き人形』などを展示。

茶運人形 1995
文字書き人形 2012

 また九代 玉屋庄兵衛が挑む創作からくり人形からは、初代作『鶴』の再現にはじまり、からす天狗が御籤を引いてくる『船弁慶からくり御籤』、スケッチ画のみから形にした『弓曳小早舟』などの新作創作からくり人形が披露される。

弓曳小早舟 2009
船弁慶からくり御籤 2018-19

編集部

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