EXHIBITIONS

岩崎努展

105MaGALLERY
2024.02.24 - 03.30

メインビジュアル 嘉来 2020 © 岩崎努

 105MaGALLERYで「岩崎努展」が開催されている。

 長い歴史のなかで連綿と受け継がれてきた日本の伝統工芸は、近年、その精緻極まりない技を施された作品が「超絶技巧」として注目され、現代作家による写実表現の追求と挑戦が美術館の企画展でも取り上げられている。その創造性は、日本古来の美の追求により育まれた技術の結晶であると同時に、似た静物や近いテーマを扱う作家が多いなかで問われる「作家性とは何か」という課題に直面する。

 本展は、美術家・柳幸典のディレクションによる、超絶技巧の木彫家・岩崎努の個展となる。伝統の彫刻技法を守りながら写実的に創り上げられる一木(いちぼく)造りの岩崎作品は、国内外で高い評価を受けている。

 会場では、自身の想像によって、本物を超える本物らしさに迫る「嘉来(かき)」、「さくらんぼ」、「花菖蒲」、そして写真もなく実物を見ることのできない歴史上の偉人や架空のモチーフを、絵や文献などの背景から探って鮮明に彫り上げる人物像のシリーズより、菅原道真の彫刻「天神様(菅公像)」を公開している。