EXHIBITIONS

京都dddギャラリー第240回企画展

MIRROR/MIRROR:カナダ・日本 現代版画ドキュメント

京都dddギャラリー
2024.01.17 - 03.17
 京都dddギャラリーで、京都dddギャラリー第240回企画展「MIRROR/MIRROR:カナダ・日本 現代版画ドキュメント」が開催されている。

 版画王国とも称される日本は、江戸時代に興った浮世絵の伝統と、明治時代に起点を持つ創作版画の伝統が並流し、独自の成熟を世界に示し続けてきた。1970年代、版画制作の現場に写真テクノロジーが流入し、さらに80年代以降はデジタルテクノロジーがそこに加わることで、現代版画はますます魅力的な表現領域として、その進化形を示すに至っている。

 いっぽうカナダでは、とりわけアルバータ州に点在する大学の版画専攻を拠点として活動する作家たちがもたらした、写真や映像の積極的な活用と手技による伝統的版画技法との融合を一つの特徴とする動きが大きな注目を集め、70年代以降、世界の現代版画の状況に確かな存在感を示し続けてきた。

 日本とカナダは、太平洋を隔てた二つの地域でありながら「多様性」とも言うべき現代版画の成熟状況を共有しつつ、作家たちを中心に積極的に友好関係を深め、これまで大小様々な形で交流展が開催されてきた。

 本展では、現代版画の多様性と成熟を共有し、かつ創作の前提としつつも、安住を好まず変革を継続する、両国の野心的な作家たちによる格闘の諸相を紹介する。日加修好95周年を迎える本年、両国の版画表現の現況や歴史を知ることを通して、二つの文化の相互理解をさらに深める場となるだろう。