EXHIBITIONS

上原浩子「祈りの庭」

上原浩子

 TEZUKAYAMA GALLERYで、上原浩子「祈りの庭」が開催されている。

 1985年、群馬県に生まれた上原は、2012年に京都市立芸術大学大学院美術研究科を修了。その後も現在に至るまで京都を拠点に制作活動を続けている。大学院修了後はそれまで制作していた絵画作品と並行しながら、立体作品の発表も精力的に行うようになり、自身の表現の幅を広げてきた。絵画制作で培った描写力と以前から興味があったと話す日本古来より伝わる自然の中に精霊や神が宿ると言われるアニミズムの思想に感化され、一貫して植物と人間の融合をテーマに制作している。モチーフとされる生き物の表情は穏やかで、繊細で柔和に表現された肌からは、神々しく優しくも強い生命力を感じることができる。

 上原は2021年の個展の際、北海道・野付半島にある「トドワラ」から着想を得て作品を制作された。本展では特定の土地が持つ性質ではなく、あらゆる神聖な場所で人々が行ってきた「祈り」にフォーカスをあてた展覧会を開催する。

 生物の内側に秘めた力が滲み出た作品が並ぶことで、ギャラリー空間は穏やかな緊張感が広がる幻想的な場所となるだろう。