様々な表現と祈りの風景を重ね合わせ、これからの仏教寺院のあり方を模索する「FEEL KIYOMIZUDERA」プロジェクト。京都・清水寺を舞台に、2012年から境内の各所で写真展や音楽イベントを行ってきた。その一環として、陶芸作家・桑田卓郎による作品展「日々(にちにち)」が開催される。
桑田は1981年広島県生まれ。2002年から陶芸家・財満進に師事し、現在は岐阜県に工房を構えて制作を行っている。主なグループ展に「工芸未来派」(金沢21世紀美術館、2012)、「バブルラップ」(熊本市現代美術館、2018)など。昨年には「ロエベ クラフト プライズ 2018」で特別賞を受賞した。
梅花皮(かいらぎ)や石爆(いしはぜ)といった陶芸の技術に基づきながら、ビビッドかつメタリックな配色の作品を手がけてきた桑田。ファッションやダンスにインスピレーションを受けた独特の視覚言語は、国内外で広く評価されている。
桑田は「制作するということは、今を生きているこの現実の中で、出会いや別れ、時に何もわからず衝動に駆られ無心になること、様々なことを感じた過程が形に現れて行く行為」と語る。本展ではその新たな造形と、長い歴史のなかで祈りや創造に寄り添ってきた清水寺という空間との響き合いを感じることができるだろう。