EXHIBITIONS

ホンマタカシ「東京郊外→オリンピア」

2024.01.13 - 02.10

TOKYO OLYMPIA #1, 2018 © Takashi Homma

 TARO NASUで、ホンマタカシによる個展「東京郊外→オリンピア」が開催されている。

 1998年にホンマによって発表された写真集『東京郊外TOKYO SUBURBIA』は、かつて宮台真司が「終わりなき日常」と形容した、ぬるま湯の幸福に浸るかのような東京の情景を淡々とうつしだし、ホンマタカシの名を一躍世界にしらしめた。2015年に雑誌Casa Brutusの連載企画として、ホンマは東京オリンピック2020を目指して変化を遂げていく街を6年間にわたって撮影するプロジェクトを行った。

 本展では、伝説のシリーズ「東京郊外TOKYO SUBURBIA」と「TOKYO NEW SCAPES」とを同じ空間に展示することによって東京という怪物的な都市の変貌を展示する。高度経済成長期の象徴的な出来事として語られる東京オリンピック1964から約半世紀後、東京オリンピック2020が東京に刻んだ歴史をホンマの写真を通して見ることのできる展覧会となっている。

 東京都写真美術館での個展「即興 ホンマタカシ」(2024年1月21日まで開催)に会期を部分的に重ねる期間設定で、ホンマの作品世界の過去と未来を問う今回の展示は、近年のカメラオブスキュラへの傾倒とは異なる表情をたたえるホンマ作品を集め、その作品世界の広さも鑑賞者に問いかける。