EXHIBITIONS

原勝四郎展 南海の光を描く

原勝四郎 海岸風景 1938 大阪中之島美術館蔵

 和歌山県立近代美術館で 「原勝四郎展 南海の光を描く」が開催されている。

 原勝四郎(1886〜1964)は、現在の和歌山県田辺市に生まれた画家。絵画を学ぶため、東京、そしてヨーロッパにも赴くが、帰国後は郷里に戻り、生地に隣接した現在の白浜町で家族と暮らしながら、絵を描き続けた。原が描いたのは、明るく美しい田辺や白浜の風景と、そこに暮らす妻と子と自分の姿、そしてバラの花を主とする静物だ。

 本展は、いまも多くの人々から愛され続ける画家の生涯をたどる、半世紀ぶりの大規模な回顧展として、和歌山県内の2つの美術館が共同で開催している。和歌山県立近代美術館では、各時代の主要な作品を通して、その画業を通観できるよう展示を構成する。田辺市立美術館では、同じく絵を描いた兄や弟、また地元で交流のあった芸術家たちについても触れ、その生きた時代の地域における芸術活動についても紹介する。