ホンマエリとナブチによるアーティストユニット・キュンチョメ。その個展「魂の色は青」が富山県黒部市の黒部市美術館で開催される。会期は10月7日〜12月17日。
2011年からアーティストとしての活動を行ってきたキュンチョメは、制作行為を「新しい祈り」ととらえ、様々な社会問題や自然災害をテーマとする作品を発表。そこに関わる人々と正面から向き合うことで、複雑に絡まる感情や交錯する意見を反映させながら作品へと昇華させてきた。22年以降はフィリピンやハワイに滞在し、現地の圧倒的な自然や多様な価値観に触れることで、その思考を大きくアップデート。現在も、海や大地、地球そのものに全身全霊で関わりながら「新しい幸福」の在り方を模索している。
本展で発表される作品11点はすべて新作で、海で制作された作品を中心に構成される。近年様々な方法で海に潜り続けてきた作家が体験した、生の実感や世界との新たな出会い。詩的でユーモラスなこれらの行為を通じて制作された作品群は、「幸福の探求」へとつながっていくのだという。
また本展では、海辺近くのカフェや、展覧会場の外にも作品を点在させることで、美術館内のみならず黒部の自然に触れながら作品と出会う構成となる。会期前半の10月から11月には作家が現地に滞在し、「深呼吸を持ち帰る」ためのワークショップが定期的に実施されるほか、「記憶のアイスクリーム」(アイスクリームの記憶とアイスクリームを交換する作品)が突発的に開催されるという。イベントの詳細は公式ウェブサイトを確認してほしい。
様々な不安や緊張が存在する現代。キュンチョメの提案に身体を委ねてみることで、まだ見ぬ「新しい幸福」を発見するきっかけとなるのではないだろうか。