EXHIBITIONS

第2回和歌山県人会世界大会記念特別事業

トランスボーダー 和歌山とアメリカをめぐる移民と美術

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 和歌山県立近代美術館で、第2回和歌山県人会世界大会記念特別事業 「トランスボーダー 和歌山とアメリカをめぐる移民と美術」が開催されている。

 和歌山県は、海外への移民が全国第6位に上る 「移民県」として知られている。明治時代より新天地での仕事を求め太平洋を渡った人々の子孫は、いまも各地で暮らしている。そうした世界の和歌山県人が故郷に集う第2回和歌山県人会世界大会が2023年10月に開催されることにあわせて、同館ではこれまで培ってきた戦前の渡米美術家研究をさらに広げ、和歌山県の移民の歴史と重ねて紹介する。

 本展の中心となるのは、アメリカ西海岸で美術を志した人々の活動だ。とくにカリフォルニアでは、移民という立場で海を渡った人々が多く暮らし、かつ活発な芸術活動が生まれてきた。なかでも現在の和歌山県有田川町出身の画家・上山鳥城男(1889〜1954)を、和歌山ゆかりの作家として新たに紹介し、あわせて彼の周囲の多様な芸術の営みを、初公開の作品や資料とともに展示している。

 また、西海岸は日米開戦に伴って日系人が強制収容された歴史があり、しかしながら鉄条網に囲まれた収容生活のなかでも、人々は様々に創造的な活動を行い、拠り所としていたとされる。本展では、全米日系人博物館や諸機関と連携しながら、移民と美術についての歴史を双方向から見直し、発信することを目指すとしている。