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EXHIBITIONS

山口聡一郎 「デッサン」

©︎ Yamaguchi Soichiro

 コミュニケーションギャラリーふげん社にて、山口聡一郎による写真展「デッサン」が開催される。

 山口は1959 年佐賀県藤津郡太良町生まれ。80年に法政大学法学部を中退し、同年に東京写真専門学校に入学し、同校の講師でもあった小森孝之が主催する「写塾下高井戸」に参加する。85年にフリーランスとなり、93年には夜の新宿の風景を6×7判でとらえた第一写真集『都市回路』(矢立出版)を出版した。その後 2002年に岡山県に移住し、12年間の空白期間を経て作品制作を再開した山口は、活動拠点である岡山県東部を中心に、車を運転しながらウィンドウ越しに地方の農村風景を撮影するシリーズを、写真集『FRONT WINDOW』(蒼穹舎、2013)や『Driving Rain』(Folder、2013)などにて発表。

 近年山口は、1200×900ミリメートルサイズのダンボールを支持体に、A4サイズに分割した写真を16枚貼り込め、塗装を施し制作する作品シリーズに取り組んでいる。分割されたフレームが窓枠のような視覚効果となり、まるで被写体が窓越しにいるような臨場感があるのが特徴と言える。本展では、本シリーズから、ヌードをモチーフにした新作を発表する。山口は自身のライフワークであるヌード撮影を、画家モランディが壺や瓶を繰り返し描き続けたことになぞらえ、裸の所有者である個人に特別な興味を抱いているわけではなく、ヌードを撮影することで「まだ見ぬ世界に足を踏み入れようとする」行為であると言う。