川俣正『アパートメント・プロジェクト』 1982-86 ドキュメント展 ～TETRA-HOUSEを中心に～

　ギャラリーエークワッドでは、「川俣正『アパートメント・プロジェクト』1982-86 ドキュメント展～TETRA-HOUSE を中心に～」が開催されている。

　川俣は、東京藝術大学在学中から木材によるインスタレーション作品を発表し、28歳の若さで1982年のヴェネチア・ビエンナーレ日本代表に選出された。帰国後、作品の発表の場をアパートの一室などの生活空間に変え、日常的な空間の位相からの“KAWAMATA”美術を立ち上げる。これは昨今の制作・運営を一般の人々とともにするアート・プロジェクトの先駆的な試みのひとつとなった。

「TETRA-HOUSE 326 PROJECT」（札幌）では、一軒家の提供から予算・広報・記録等運営を地域住民、学生などが担い、制作ドキュメント展、座談会、記録集発行などを実施し、その後の“KAWAMATA”プロジェクトの基点となった。ここで川俣正が、人と美術との関わり方を問い直した衝撃が、札幌のアート・シーンに大きな影響を与えたことは間違いない。

　本展は、1982〜86年の川俣正による各地でのアパートメント・プロジェクトの全貌をドキュメントとして紹介する。