石田恵嗣 個展「短編集 カエルの唄」

　アートフロントギャラリーで石田恵嗣の個展「短編集 カエルの唄」が開催されている。

　石田は1975 年千葉県生まれ。2006年より渡英、チェルシーカレッジオブアートを卒業後、王立美術院（RCA）に進学し13年に卒業した。⻄洋での⻑期の滞在をとおして、歴史や文化に触れ、オスカー・ムリーリョやダニエル・クリュー・チャブなどヨーロッパのスター候補の画家や、現在日本で頭角を現す現代美術作家の冨安由真らとの交流から多大な影響を受けている。その後2年にわたりドイツへ移住し、ヨーロッパを中心に活動している。

　本展では、石田が海外の絵本や百科事典の挿絵にヒントを得て、独自の物語を紡いだ作品群10点を紹介する。石田は、エネルギーあふれる抽象画のような大胆な筆致と、絵本、図鑑、マンガといった既存のイラストレーションから抜き出されたキャラクターたちを描く。異なる物語のイラストを組み合わせ新たに生まれた唐突なシチュエーションを描くことで、行く末がわからない物語性が内包された作品を制作する。