川戸由紀は1984年横浜生まれ。自閉症であり、現在は社会福祉法人かれん「アートかれん」に所属し、渋谷や新宿の定点カメラの視点を再現した映像作品、自然の風景を再現した読めない地名とサインのシリーズなど、「再現」をテーマに作品を制作している。各シリーズは集中力と興味の続く限り制作され、次々と新たなシリーズへ展開していくかたちで活動している。
本展では、2009年前後の数年間制作していた、パレードを刺繍で再現するというシリーズを紹介。アメリカのネズミ風のキャラクターたちが、その解説文字とともに整列する姿をひと針ひと針刺繍した作品群は、キャラクターたちの生命、そしてそれに対する川戸の感動を再現している。