SOMETHING SO BEAUTIFUL IS SO EASILY FORGIVEN

　KOTARO NUKAGAで、ハワイ生まれのアーティストであるマイケル・リキオ・ミング・ヒー・ホーによる個展「SOMETHING SO BEAUTIFUL IS SO EASILY FORGIVEN」が開催されている。

　ホーは1996年ハワイ生まれ、東京を拠点に活動する広東・日系アメリカ人のアーティスト。2018年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校（UCLA）で美術学士号を取得した後、平面と立体の中間に位置するような作品を制作している。バーバラ・クルーガーやアンドレア・フレイザーに師事したホーの作品は、象徴的なイメージと太字のテキストが組み合わされており、不透明な社会批判や不条理、ユーモアを含んでいる。

　本展は、ギャラリーの壁に直接描いたフレーズをドライボードごと剥がしたペインティングと、壁面に直接描いたペインティングの組み合わせによって構成されている。様々なメディアから抽出したテキストからつくり出したフレーズは、インターネットやソーシャルメディアなどに溢れるダークで不条理なユーモアを含むミームカルチャーの影響を受けている。また、そのフレーズはあえてアメリカ英語とイギリス英語を混在させるなどの不自然さがあり、言語を脱領域化させている。ホーは、世代の人々によって領域化された世界の構造を自分たちの世代の言語によって脱領域化し、創造の可能性を広げている。

　壁面内部のペインティングは、展覧会終了後、壁の修復とともに半永久的に壁面内に残りつづける予定。