鴨居玲のスペイン時代ースペイン・バロックの巨匠ジュゼペ・デ・リベーラの作品とともに

　長崎県美術館で 「鴨居玲のスペイン時代ースペイン・バロックの巨匠ジュゼペ・デ・リベーラの作品とともに」が開催されている。

　鴨居玲（1928〜1985）は石川県生まれで、父親の故郷である長崎県北松浦郡田平村（現・平戸市田平町）に本籍を持っていた。戦後の日本洋画壇において異色の存在感を放つ鴨居の作品は、いまもなおファンを獲得し続けている。

　鴨居は1971年2月から3年8か月にわたりスペインに滞在しており、当時何度も通っていたプラド美術館で出会ったのが、バロックの巨匠ジュゼペ・デ・リベーラであった。鴨居はリベーラの 「光と闇」の表現に魅了され、多くを学習していった。

　これまで鴨居とリベーラの親和性については何度も語られてきたが、実際に両画家の作品が同じ空間で展示されたことはなかった。その初の試みとなる本展では、国立西洋美術館から特別に借用したリベーラの《哲学者クラテース》と同館が所蔵する鴨居のスペイン時代の作品など、計14点を公開。

　なお本展は、国立美術館と国立アートリサーチセンターが新たに開始した 「国立美術館コレクション・プラス」のプレ事業となっている。