没後35年を迎えた洋画家・鴨居玲の回顧展が開催。「人間とは何か」に迫る画業を紹介
没後35年を迎えた洋画家・鴨居玲。その画業の軌跡をたどる展覧会「没後35年 鴨居玲展─静止した刻─」が、石川県立美術館で開催中だ。会期は8月30日まで。
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今年、没後35年を迎えた洋画家・鴨居玲。つねに「人間とは何か」を問い、自らの内面をえぐるように見つめ続けたその画業の軌跡をたどる展覧会「没後35年 鴨居玲展─静止した刻─」が、石川県立美術館で開催中だ。
鴨居玲は1928年、石川・金沢生まれ。京城(ソウル)、大阪と転居後、金沢に戻り、金沢美術工芸専門学校(現金沢美術工芸大学、以下美専)の一期生として卒業する。二紀会への入会と脱退、そして再入会を経つつ、パリやスペインに居を移しながら69年に安井賞を受賞。その後、82年に再び二紀会を退会したのち、85年に神戸の自宅で急逝した。
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同展は、鴨居の画業を3期に分けて構成。1章の「模索~煩悶する若き画家~」では、美専在学中から41歳での安井賞受賞にいたるまで、鴨居の苦悩を中心に紹介する。
2章「画風の確立へ~充実の日々~」では、安井賞受賞後スペインに渡り、「わたしの村」と呼んだバルデペーニャスの人々を題材としながら、自らの画風を確立していった時期の作品群を紹介。
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そして3章「終焉への道~再びの煩悶~」では、帰国後さらなる芸術の高みを目指し、裸婦・女性像という新たな題材に取り組む鴨居の画業を紹介。自身最大の自画像《1982年 私》(1982)を経て、苦悩の末に終焉を迎えるまでの作品を見ることができる。
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鴨居玲がその身を削りながら見つめ続けた人間の姿。没後35年を機に、改めてその画業を見つめ直すことができる回顧展だ。