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今井俊介 スカートと風景

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 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館が開催された展覧会「今井俊介 スカートと風景」展が東京オペラシティアートギャラリーに巡回する。

 今井は1978年福井県生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コースを修了。具象と抽象、平面と立体、アートとデザインという境界を行き来しながら、その表現方法を探究し、独自の色彩感覚を生かした絵画制作を続けてきた新進気鋭のアーティストだ。これまで東京やドイツなどで発表を行い、作品は東京都現代美術館、福井県立美術館に収蔵されている。

 独自のポップな色彩感覚で、波や旗のようにも見えるイメージを表した絵画シリーズは、ある時ふと何気なく目にした知人の揺れるスカートの模様や、量販店に積み上げられたファストファッションの色彩に強く心を打たれた体験が原点となっている。ストライプや水玉といった単純な色と形の組み合わせによる模様をランダムに配置し、さらにそれらが歪んだり波打ったりすることで生まれる形態をキャンバスに描きだす今井の制作は、絵画の基本要素である色や形、平面性への考察に基づいており、今井は絵画の根本的な意味やその可能性を問い続けている。

 本展ではストライプの絵画に至る過程ともいえる作品群を新たに加え、初期作品から新作まで、絵画を中心に、立体や映像、インスタレーションなど、様々な表現をあわせて紹介。今井による色と形の新鮮なリズムは、様々な視覚情報があふれた現代社会を生きる、私たちの感覚をひらくきっかけとなるだろう。