ながくとも四十に足らぬほどにて死なんこそめやすかるべけれ（Die Young, Stay Pretty）

　KOTARO NUKAGAで 「ながくとも四十に足らぬほどにて死なんこそめやすかるべけれ（Die Young, Stay Pretty）」が開催されている。

　本展は、帰属意識や文化的アイデンティティをテーマにシカゴを拠点に活動するアーティスト・カルロス・ロロンと、ニューヨークを拠点にリアリティをもった時代性を表現言語として活躍するアーティスト・松山智一による共同キュレーションによるもの。

　ロロンと松山はともに、ポンピドゥー・センターで開催された 「大地の魔術師たち」（1989）以降、芸術の世界で重要なテーマとなっているポストコロニアル、そして非⻄洋の文脈から生まれる美学による 「美」というものに向き合ってきた。美術の歴史上、常に検討されてきた 「美（美しさ）」という概念とその概念が包摂する多面性、そして美は普遍的ではないということついてロロンと松山との対話の蓄積が、本展の試みを裏づけている。

　出品作家は、カンディダ・へーファー、セイヤー・ゴメス、フーマ・ババ、エルヴィン・ヴルム、マリリン・ミンター、ジョエル・メスラー、桑田卓郎、カルロス・ロロン、松山智一。国際色豊かな9名のアーティストの作品により、大文字の 「美術史」を語る 「美学」を批評的な視点で捉え、これに一石を投じる構成となっている。