今年10月、東京・天王洲のTERRADA Art Complexに新たなギャラリースペース「KOTARO NUKAGA」がオープンする。
「KOTARO NUKAGA」の代表を務めるのは、1977年創業の「NUKAGA GALLERY」の2代目オーナーでもある額賀古太郎(ぬかが・こたろう)。スイスの建築設計事務所、ヘルツォーク&ド・ムーロン出身の石田建太朗がデザインしたゆったりとしたギャラリースペースでは、年4~6 回のペースで国内外のアーティストの展覧会を開催する予定だという。
そのオープニングを飾り、今回が日本初個展となるのは、ロンドンとメキシコシティーをベースに活動するコンセプチュアル・アーティスト、ステファン・ブルッゲマン。 テキストや色彩、素材や空間を巧みに操ることで作品の中に矛盾や二項対立を生み、現代社会や芸術の内面に疑問を投げかけるブルッゲマンは、近作の「カートゥーン・ペインティング」「パドル・ペインティング」シリーズと、最新シリーズ「ハイパーポエム・ペ インティング」シリーズを展示する。
銀座、大阪にギャラリーを2店舗、そしてロンドンにオフィスを構える「NUKAGA GALLERY」だが、「KOTARO NUKAGA」ではまったく異なったコンセプトで展示を行っていく予定。オープンに際して額賀は、「ロンドンの大学に在学中、授業でレイチェル・ホワイトリードの作品《HOUSE》(1993)を知り、社会に問題提起するアートに衝撃を受けました。そうした現代美術に特化したプライマリーギャラリーを手がけたいという思いがずっとあり、今回の開廊に至りました」と話す。
東京の主要アートコンプレックスのひとつであるTERRADA Art Complexに誕生する新たな現代美術のギャラリー。今後の展開に注目したい。