2019.4.14

現代アートにおける装飾美の可能性を問う。KOTARO NUKAGAで米拠点のアーティスト7人によるグループ展が開催

東京・天王洲のKOTARO NUKAGAで、アメリカをベースに活動するアーティスト7人によるグループ展「FIXED CONTAINED」が開催される。本展では、出展アーティストでもある松山智一がゲストキュレーターを務め、「現代アートにおける装飾美の可能性」をテーマにそれぞれが作品を展開。会期は4月20日〜6月29日。

フィレレイ・バエズ Daughter of Reolutions (landless Antropofaga who could fly between the Artibonite and the Mississippi) 2019 Courtesy of the artist and James Cohan, New York Photo by Jackie Furtado
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 アメリカを拠点とするアーティストのグループ展「FIXED CONTAINED」が、東京・天王洲のKOTARO NUKAGAで開催される。ゲストキュレーターを務めるのは、自身もニューヨークにスタジオを構える松山智一。

 本展のテーマは「現代アートにおける装飾美の可能性」。タイトルは、歴史や文化、現代社会から様々な情報を抽出して編集(Fixed)し、新しい表現を生み出す高密度の器(Contained)のような作品を制作する参加アーティストたちの姿勢を表している。

松山智一 Swell Being Yourself 2019

 出展アーティストは、抽象的な線で都市風景の骨格を浮き彫りにし、そこに見える社会構造を描写するブライアン・アルフレッド、動植物や建築物の有機的なフォルムを組み合わせ、未知なる風景を生み出すインカ・エッセンハイと、自身のルーツにちなんだ文様を用い、流動的で強い精神性を持つ女性の肖像を描くフィレレイ・バエズ。

インカ・エッセンハイ Purple Pod 2019

 加えて、古典的な彫刻様式にありふれた日常の物体を組み合わせた立体作品を手がけるトニー・マテリ、花や模様を整然としたカオスとして描写するカルロス・ロロン、自身が開発した画材で輝く鏡面を描写し、鑑賞者の姿をぼんやりと作品の中に投影するニール・ホッド、そして日常的に氾濫するイメージと伝統的な図像を融合させたペインティングを手がける松山の7名だ。

 本展では、多くの新作を含む計24点の作品を展示。装飾性が持つ機能性/非機能性という枠組みを超えた7名の作品からは、装飾美の新たな可能性を感じることができるだろう。

ニール・ホッド THE LIFE WE LEFT BEHIND 2019