原田裕規は1989年山口県生まれ。武蔵野美術大学在学中の2012年に「ラッセン展」(CASHI、東京)や「心霊写真展」(22:00画廊、東京)を共同企画し、翌年には『ラッセンとは何だったのか?』(フィルムアート社)を上梓。現在は美術家として、既存の枠組みに留まらず、制作・企画・批評などを横断した活動を行っている。
原田は、「心霊写真展」の企画当時より、作者の不在によって成り立つ心霊写真についての考察から「不詳の作者」をテーマとして掲げており、本展もその延長線上に位置付けられている。いっぽう、近年では、立体・平面を含めた数百点の作品のインスタレーションを「絵画」として展示するなど、あらゆる事象を「平面」に還元するような活動も行っている。
本企画「作者不詳#1」は、この「不詳の作者」と「平面」という原田の2つのテーマが交錯するものとなる。合計3本の展覧会で構成されており、1本の展覧会ごとに2点1組の作品が展示される。「作者」という固有名詞から離れた視点で作品を見るとき、何が浮かび上がるのか、会場で確かめたい。