ケリス・ウィン・エヴァンスは1958年ウェールズ生まれ。現在はロンドンを拠点に活動している。過去の日本での展示には、2008年「横浜トリエンナーレ」、2009年「万華鏡の視覚:ティッセン・ボルネミッサ現代 美術財団コレクションより」(森美術館、東京)、2010年「あいちトリエンナーレ」(名古屋)などがある。
ネオンを用いたテキスト作品に代表される、文学、映画、美術、天文、物理など幅広い分野における先人達の先駆的な試みを引用した作品で知られるウィン・エヴァンス。近年は日本の「能」に大きな関心を寄せ、能楽師の所作を示した図を引用した大型ネオン作品《Forms in Space ... by Light(in Time)》(2017)などを発表している。
日本での過去最大規模の個展となる本展の舞台は、東京・赤坂の草月会館内にあるイサム・ノグチ作の石庭「天国」。ウィン・エヴァンスはここに、床面から天井まで達する3本の光の柱と、能舞台に倣った松の木を配する。作品を展示する空間やその空間の運営主体である組織のありようも作品の一部という考えのもと制作を行ってきたウィン・エヴァンスと、イサム・ノグチがつくりあげた空間とのコラボレーションに注目だ。