2018年度のスタートとなるのがペインター・五木田智央による個展「PEEKABOO」だ。五木田は1969年東京都生まれ。イラストレーションから出発し、60〜70年代のアメリカやアンダーグラウンドのサブカルチャーに影響を受け、雑誌や写真にインスピレーションを得た作品を発表してきた。2014年にはDIC川村記念美術館で大規模個展「THE GREAT CIRCUS」を開催したことは記憶に新しい。
絵画をコラージュ的に構築する発想や方法、あるいは黒と白のモノクロームを基調とした作品など、独自の絵画世界で多くの人々を魅了している五木田。本展では、新作の絵画やドローイングを中心とする2000年以降の作品約50点を展示する。
また7月から9月にかけては、20世紀を代表するアーティスト、イサム・ノグチの回顧展「イサム・ノグチ ─ 彫刻から身体・庭へ」を開催。若きノグチが北京で描いた毛筆による身体ドローイングをはじめ、モダンダンスの開拓者マーサ・グラハムとのコラボレーションによる舞台関連作品、日本で制作した陶作品や光の彫刻「あかり」、ニューヨークの《チェイス・マンハッタン銀行プラザのための沈床園》などの庭園やランドスケープに関わる模型・資料、そして晩年の峻厳な石彫作品まで、ノグチ芸術の全体像を約80点で通覧する。
秋に予定されているのが、いまもっとも注目すべき若手建築家・田根剛の初となる美術館個展だ。Dorell.Ghotmeh.Tane/Architectsとしてエストニア国立博物館を手がけ、新国立競技場のデザイン・コンクール(ザハ案選出時)では11人のファイナリストのひとりに選ばれるなど、気鋭の建築家としてその存在感を高めつつある田根。本展では、田根の設計活動の全貌を紹介するとともに、美術館の大空間を活かしたインスタレーションも展開するという。
18年度の最後を飾るのは、写真家であり冒険家でもある石川直樹の個展「この星の光の地図を写す」。23歳で7大陸最高峰の登頂に成功し、その後も国内外を旅しながら、人類学や民俗学の観点から、独自の写真を撮り続けている石川。本展では、北極や南極、ヒマラヤの8000メートル峰といった極限の地を撮影した各シリーズをはじめ、世界各地の洞窟壁画を訪ねた「NEW DIMENSION」シリーズ、そして日本列島の南北に点在する島々を探索する「ARCHIPELAGO」シリーズなど、石川の初期から現在に至るまでの活動を、未発表作品を織りまぜて紹介する。
なお、若手作家を紹介する「project N」では、平子雄一、木村彩子、中村太一、大和美緒の4名をラインナップ。それぞれが企画展と同じ会期で作品を展示する。