《DOOM》からクラシック・バレエへ
本展でより明確になっているのが、イムホフとクラシック・バレエとの関係だ。その試みは突然始まったものではない。前年の《DOOM: House of Hope》(2025)でもバレエはすでに取り入れられており、「House of Swans」はそこからさらに踏み込んで、バレエの身体言語そのものを作品の中心へと引き寄せている。本展は、《DOOM: House of Hope》(2025)で示されたバレエへの関心を拡張するものという位置づけでもあるそうだ。

新作パフォーマンス《House of Swans》(2026)には、ひとりの若い女性を中心とする物語が設定されている。主人公は社会のなか、そして舞台の上で、自らの力や主体性、声を取り戻そうとしながら、愛、自身の信念、家族への義務のあいだを進んでいく。古典バレエの厳密な身体の規律を用いながら、そこからどのような異なる身体を立ち上げられるか。こうした問いが、近年のイムホフの実践とバレエを接続している。


制作には、アメリカン・バレエ・シアターのプリンシパルであるデヴォン・トイシャーをはじめ、マイケル・デ・ラ・ヌエズ、レミー・ヤング、トーン・ローバッハ、ダニール・シムキン、エライザ・ダグラス、香港バレエ団のダンサーらが参加した。オリジナルスコアは作曲家ジェイコブ・マッデンがイムホフとの協働によって制作。電子音響や声、ピアノ、ドラム、ギターなどから構成され、リーヴァイ・ストラッサーによるライブ演奏もパフォーマンスに組み込まれている。音楽は上演時だけでなく、展覧会そのもののサウンドトラックとしても用いられる。



















