「川内理香子 LOVE, Wild Grape, Tiger, heart」(大田区立龍子記念館)開幕レポート。絵画のなかに線と身体の交歓を見る【3/3ページ】

旧川端龍子邸やアトリエでも作品を展示

 さらに本展では龍子記念館に隣接する龍子公園にある旧川端龍子邸(1951年築)とアトリエ(1938年築)にも川内の作品を展示している。邸宅の玄関に置かれた《Strata》(2025)は、川内が近年取り組んでいる石彫作品、和室の壁に設置された《touch of volume》(2021)はネオン管を使用した作品だ。いずれもドローイングという川内の興味は、バリエーション豊かなメディウムに結実していると感じられる作品だ。邸宅に展示されることで、作品が住空間とどのような関係を取り持つのか、という点も本展示の魅力だろう。蒐集した作品を飾るという行為が、高橋のコレクションを借りながらここで行われている。

川端龍子のアトリエの外観。内部は事前に予約することで見学が可能
川端龍子のアトリエの展示風景、左奥壁の作品が川内理香子《queen of heart》(2024)キャンバスに油彩 162×130.3cm

 アトリエには、龍子が使用していた机や椅子、絵筆が展示され、休憩に使っていた小部屋などもそのまま残っている。ここでも油彩や石彫、ネオンなどの作品が、龍子が作品を描いていたときと同様の、豊かな自然光を浴びて展示室とは異なる表情を見せている。なお、邸宅とアトリエは開館日の10時、11時、14時からの公園案内で外周から見ることができるほか、事前予約制でアトリエ内に入って作品を鑑賞することもできる。こ

 川内と龍子の作品を往還することで、様々な発見とともに「線」や「身体」といった共通するおもしろさを感じることができる展覧会となっている。

編集部