下水処理の行程とともにツアー形式で作品を見る
本展は完全予約制のツアー形式となっており、2月13日〜15日、20日〜22日に開催。参加者は保良の作品とともに、下水の処理がどのように行われているのか、施設の各セクションの役割や構造を学びながら巡ることになる。
会場の入口近くにある、施設に電力を安定供給する特別高圧受変電室の外壁上部には、保良がヒマラヤの氷河で撮影した写真作品が展示されており、鑑賞者はこの作品を中庭から双眼鏡で覗くことができる。5000メートルを超える高山の氷河が湛えた水と、人間に利用された水の最下流部である下水処理施設。この地球上の高低のダイナミズムと循環性を意識させる展示といえるだろう。こうした高低、あるいは循環は、施設の各所で感じさせられることになる。

沈砂池は、家庭から出た下水を最初に処理する施設で、フィルターやかき揚げ棒、除塵機などによって下水のなかのゴミを取り除く役割を担う。施設内にはうっすらとアンモニア臭が漂っており、処理の初期段階であることがわかる。ここには保良の作品であるレンガのブロックがひとつ置かれている。このレンガはこの施設で処理される下水の汚泥と赤土を焼成してつくったもので、表面に刻印された「HUMAN POO 88%(人間の糞88パーセント)」という文字は、汚泥の配分が88パーセントであることを示している。この88パーセントという数字は、エクメーネ(地球上で人間が居住している場所の割合)と同じだ。

施設のなかでも大きな面積を占めているのが、最初沈殿池、反応タンク、最終沈澱池、接触タンクといった屋外施設だ。細かいゴミを取り除き、微生物の力を借りて物質を除去、それら微生物の塊を沈め、さらに消毒をして川へ放流できる状態にしていく。微生物の活動、あるいは地球の重力といった構造を利用しながら、水を浄化していることがよくわかる。

本施設では、このようにして浄化した水を使って鶴見川に生息する魚類を中心に飼育しており、見学者に「ミニ水族館」として公開している。ここにはクリスタルガラスによる作品が3点展示されている。表面と内側で異なる立体が表現されており、それぞれがいかなる関係にあるのかを考察してみてほしい。




















